身近にある物を見て、よく考えます。
「なぜ、このデザインになったのか?」
「なんのためにデザインするのか?」
間違っててもいいので、この思考が出来るか出来ないかで、デザインに差が出てきます。
パッケージにお金をかけるのは粗悪品の証拠
以前、美容師がこう言っていました。
「市販のシャンプーがボトルやCMにお金をかけるのは粗悪品だから」
「サロン専売品は宣伝にお金をかけないから、中身にお金がかかっている」
この美容師はなぜこんなことを言うんだろう?
もちろん、自社の商品を売りたいからですね。
じゃあ、なぜ市販のシャンプーボトルはあの色なんだろう?
デザインが生まれる前の「芽」は「なぜ?」から始まります。
通販商品のパッケージデザインは地味?
スーパーやドラッグストアでシャンプーを買う時、よほどマニアでない限り、裏の成分表示は読まずに、容器のかわいさや、CMで決める人が多いでしょう。
我が家でもよく利用しているスカルプDボーテのシャンプーですが、主にネット通販で展開していて、ランディングページや公式サイトに力を入れていますが、ボトルデザインは、とてもあっさりしています。

何年かおきにデザインが変わるんですが、毎回、違うメーカーかな?ってくらい変わります。
白地に明るいシルバーは見づらいんじゃ〜〜!(ぶつけようのない怒り)

シンプルで素敵!
と思うのは裸眼でなんでも見える人だけ。
目が悪い人は、文字色と背景のコントラストが弱いと、マジで読みづらいです。
お風呂ってコンタクトやメガネは外しますよね。
どうしてここまで小さな文字にしたのか不思議。
主なターゲット層は若年層ではなくアラサー、高齢者も使っています。

誰しも一度はシャンプーとリンスを間違って、最初にヌルヌルにしてしまったことあるはず。
しまいには、TREATMENT PACKのボトルに油性ペンで「リンス」と書いてやりました。(トリートメントパックが長すぎたので)
油性ペン持ち出されたらデザインの敗北です。
文字の大きさは、商品や場所に合わせて変える
看板デザインのお仕事で、「細い線、ゆるい線、薄い色にして」という指示が何回かに1回はあります。
名刺やチラシはそれでも良いのですが、遠くから見る看板、浴室に置く物はハッキリした文字が良いです。
デザインに大切なのは親切心
いくらオシャレでも、見にくい、見えなければ意味がありません。
大きい文字で書いてあって困る人はいないので、大事なことは誰でもわかるように表記してあると親切です。
そう、デザインは小さな親切が大事です。
そして最終目的は、商品を売ることです。
「どうやったら買っていただけるか」よりオシャレさを優先すると、「ん?」という違和感が出てきます。
「オシャレにすれば売れるやろ」では順番が逆なんです。
「ん?なぜ?」を細かくツブしていくのが、デザインの役割です。
世の中の色々な物に疑問を持ち、時には自分の技術さえも疑います。
流行によって正解は変わっていくし、正解なんてないかもしれません。
なんとなく感じた「なぜ?」の理由が、だいぶ後になってわかることもありますが、見栄えのテクニックだけでなく、見る人にとって親切でありたいと思っています。